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フラメンコ・ギターとクラシック・ギターの違い

 よくお客様からフラメンコ・ギターとクラシック・ギターはどう違うのか、ご質問いただきます。確かに見た目は材料の違いこそあれ、全く同じに見えますね。実際、フラメンコ・ギタリストやフラメンコ・ギターを製作するギター製作家に質問しても、フラメンコ・ギターは表面版が薄い、力木(表面版裏側の補強棒)の数が違う、ボディ側部の厚さが違う、など答えがまちまちでこれといった、はっきりした答えはありません。ただ、フラメンコはとにかくリズミカルで、しかもとても早いテンポで演奏されることがよくあるので、音色が明るく、音の立ち上がりの良さと歯切れの良さが要求されます。クラシックは美しい音色で深い響きがするものが求められるので、それぞれの音楽が要求する音色を実現するように作られています。ギタリストによってはクラシック・ギターを使用するフラメンコ・ギタリストもいます。  下記はかならずしもそうではない事も含まれますが、フラメンコ・ギターがクラシック・ギターと較べて特徴付けられる点を挙げます。

 ・ゴルペ板と呼ばれるセルロイドの板を表面板に貼っている
 ・ネックの差込みがほとんど角度がつかないようにセットされている
 ・表面板に松材、側板・裏板の材料にシープレス(糸杉)材を使用したものが好まれる事が多い
 ・クラシックより弦高が低くセットされる事が多い
 ・表面板はクラシック・ギターより薄い事が多い

フラメンコ・ギターで使われるテクニック

(1)アルペジオ

 他ジャンルで当たり前に使われるテクニックである”アルペジオ”はフラメンコでも頻繁に使われます。他ジャンルの”アルペジオ”と同様、p指、i指、m指、a指全て使われます。”アルペジオ”は通常アルアイレ奏法で弾かれますが、フラメンコでは時に音の強さと歯切れを求めた結果、アポヤンド奏法で”アルペジオ”が弾かれることがあります。

(2)スケール

 他ジャンルでも使われる、音階を弾くテクニック”スケール”ですが、フラメンコでも使用されます。フラメンコの場合、”スケール”を弾く時の右手はブリッジに近い部分で強いタッチで弾かれる事が一般的で、『ピカード』(スペイン語で突き刺すの意味)と呼ばれています。

(3)プルガール

 ”プルガール”とはスペイン語で”親指”の意味で、まさしく親指でエレキ・ギターのピック弾きのように弾くテクニック(但し通常ダウンのみで使用される事が多い。アップを交える場合は別の”アルサプーア”というテクニックとして使う方が多い)で、フラメンコ・ギターでは多用されています。単弦のみならず、複数弦に渡って弾かれる事もよくあります。他ジャンルでは親指はアルペジオのベース音を弾く程度の使用頻度ですが、フラメンコではメロディー、スケールも弾かれます。音の力強さ、リズムを感じさせやすい事から、”プルガール”は極めて重要なテクニックと言えるでしょう。

(4)アルサプーア

 (3)の”プルガール”のテクニックを発展させたもので、複数弦にわたって親指でダウンアップを繰り返すテクニックで、フラメンコ独自のテクニックと言えるでしょう。

(5)トレモロ

 クラシックで使用されるテクニック”トレモロ”はフラメンコでもよく使われます。ただ、一般的にクラシックで使われるのは4連符の”トレモロ”が多いですが、フラメンコでは” p → i → a → m → i ”と5連符で弾かれる事が多いです。

(6)ラスゲアード

 右手指でコードを様々な連符で弾く事ができる”ラスゲアード”はフラメンコ・ギターの最も特徴的なテクニックと言えるでしょう。”ラスゲアード”は大きく分けて、エレキ・ギター等のピック弾きのストロークに似た事を指で行なう”セコ”と複数の指で多連符を行なう”ラスゲアード”に類別できます。

<セコ>
  (2連符のセコ) i 指のみで爪側でダウン、指の腹でアップをする”セコ”と、親指と中指と
            薬指を指の腹で合わせ、中指・薬指の爪側でダウン、親指爪側でアップ
            をする”セコ”があります。音の強さや音質が違うので、曲の部分部分で
            使い分けられます。(但し後者の指の組み合わせには個人差があります)
  (3連符のセコ) m (爪側ダウン) → i (爪側ダウン)→ i (肉側アップ)の組み合わせ、
            ch (爪側ダウン) → i (爪側ダウン)→ p (爪側アップ)の組み合わせ,
            mとaのセット(爪側ダウン) → p (肉側ダウン) → p(爪側アップ)の組
み合わせ等、ギタリストや好み、それにどの音が欲しいかにより、様々なバリエーションがあります。これ以上の連符を弾く場合はこれらのセコを組み合わせてつかいます。

<ラスゲアード>
  a (爪側ダウン) →m(爪側ダウン) →i(爪側ダウン)→i(肉側アップ) のラスゲアードが一般的です。ch→a→m→i→i で行なう事もよくありますが、最近はch指を使用しないのが、流行のようです。このラスゲアードで6連符を弾く場合、a →m→i(ダウン)→ i(アップ)→ i(ダウン)→ i (アップ)としたり、m→ i(ダウン)→ i(アップ)→ m→ i(ダウン)→ i(アップ)としたりと、奏者や好み、欲しい音により色々使い分けられます。

(7)ゴルペ

 右手薬指と中指、もしくは右手薬指のみでギターの表面板を叩く、”ゴルペ”もフラメンコ・ギターの代表的なテクニックと言えるでしょう。この”ゴルペ”をすることにより、アクセントをつけたり、リズムの取り方をよりタイトにしたりします。撥弦しながら”ゴルペ”を行なう時と、”ゴルペ”のみを行なう時と両方あります。表面板の、弦より下側を叩く”ゴルペ”が頻繁に使われますが、強いアクセントを出したい時など、弦より上側を叩くと同時に弦をストロークする”ゴルペ”もあります。

フラメンコ・ギターに使用される弦

 フラメンコに使用される弦ですが、ギターとの相性、ギタリストのスタイルや好みにより、様々ですが、概して音色が明るく、音の立ち上がりが良い物が好まれる傾向にあります。『ハナバッハ』や『La Bella』からはフラメンコ用弦が出ています。前記フラメンコ用弦のほか、『Luthier』、『サバレス』(ノーマル&アリアンス)、『プロアルテ』もフラメンコ・ギターに張る人が多いです。また、『La Bella』に関しては”2001”シリーズのフラメンコ用、クラシック用ともフラメンコ・ギター用に買われる方が多いです。
 筆者が過去に読んだ雑誌の中で、「パコ・デ・ルシアは『Luthier』の赤、マノーロ・サンルーカルは『Luthier』の青、ビセンテ・アミーゴは『プロアルテ』のノーマルを使用している」、と、読んだことがあります(真偽の程、現在はどうかはわかりませんが)。
 尚、ノーマル・テンション、ハード・テンションどれがいいかは楽器の弦長、張りの固さ、奏者の好みに左右されるので、一概には言えません。

フラメンコ・ギター

※フラメンコ・ギターの紹介です。当店在庫に関してはお問合わせ下さい。
Conde Hermanos Manuel Reyes Lester De Voe Gerundino Fernandez
Arcangel Fernandez Manuel Bellido Francisco Barba Tezanos Perez
Jose Romero Jose Marin Plazuelo

フラメンコ・ギタリスト

パコ・デ・ルシア ラモン・モントージャ
ニーニョ・リカルド サビーカス
マノーロ・サンルーカル ビクトル・モンヘ・”セラニート”
トマティート モライート・チコ
ビセンテ・アミーゴ ヘラルド・ヌーニェス
メルチョール・デ・マルチェーナ エンリケ・メルチョール
フアン・アビチュエラ ぺぺ・アビチュエラ
パリージャ・デ・ヘレス ディエゴ・デル・ガストール